~適当な工作情報を投げるブログ

ゲーム、音楽なども作ってるよ~



自作絶縁ゲートドライバを使って3相インバータを組んだ

 以前自作した絶縁ゲートドライバは3相出力なので, そのまま3相インバータが組めます。入力信号は3.3V/5VcompatibleなのでArduinoやNucleoがあれば自由な波形のインバータが作れることになります。絶縁ゲートドライバなので, ゲートドライバ用の12Vと主回路用の電源, マイコン用の電源を用意すれば主回路はどんなものでも対応できるはずです。

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組んだVVVFインバータ

 自作ゲートドライバの出力線を3相ブリッジの各素子ゲートに接続し, 制御信号をArduinoで生成しているだけです。負荷はロボコン部の部室からお借りしたEDFです。12V入力で20Aとか定常で流れるバケモノですが, とくに故障無く駆動できてるようです。

 EDFを回すのにも飽きたので, 処分予定だったDC扇風機を分解し, DCモータを取り出して回そうと思いました。

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出てきたBLDC

 線が3本出てたのでてっきりただの三相BLDCだと思ってたのですが…

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まさかのドライブ回路内蔵

 ドライブ回路が内蔵されてるタイプでしたorz

3本生えてた配線はVCC, GND, Speedでしたとさ。ってなわけで, 早速クソドライバは排除し3相線を引き出すよう改造します。

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さよならドライバ

 8Wのドライバみたいです。まぁ, 扇風機ですしこれで十分なのかも。早速自作インバータで回しました。

 はい。回りましたね。

 

そういや, もうすぐで閉店してしまうという秋葉原の日米無線ででかいヒートシンクを購入しました。

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パワー素子の贅沢盛り

 これで放熱問題はしばらくどうにかなりそうです^^;

絶縁ゲートドライバ作ったよ ~ゲートドライバから L 成分を排除せよ!

 ちっこいテスラコイル作ってると思う事がありました。500kHz以上の共振周波数になってくるとゲートドライバが厳しくなってくるなぁ…ってことです。まぁちっこいテスラ専用の基板とかなら小さいGDT用意して電流で無理やりIGBT or MOSFETのゲート叩くようにすれば良いんですが, 今回作ろうとしてるテスラコントローラだと駆動予定のコイルは大小様々なものを想定してまして, 低い周波数(100kHzあたり?)から高い周波数(2MHzくらい?)までに対応して欲しいところでしたので, GDT以外のゲートドライブ方式を採用する必要がありました。

 GDT方式ではゲートドライブトランスのL成分, ゲート容量のC成分, ゲート抵抗のR成分から成るLRC回路が形成され, 広いレンジの周波数に対応する事が難しいです。系は2次系となるため回路定数によっては応答が振動する場合や共振する場合もあって調整が大変です。特に周波数によってゲインが全く変わるため, ゲート電圧 Vge = 15V とかを保障するのが大変です。(GDTの出力電圧を思いっきり高く設計し, ツェナー等でクランプし無理やり15Vとかにするのも手なんですが, 損失が馬鹿にならないので^^;)

 そこで, 出力が周波数に依存しにくい絶縁DCDCを使ったゲートドライバを自作してみることにしました。

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絶縁ゲートドライバのテスト基板

 これはIRS2108を使った単純なハーフブリッジドライバですが, 外部にゲート電源を用意することで絶縁ゲートドライバとして機能します。写真に写ってませんが, この段階では入力信号はパルストランスで絶縁するという無意味な事をしてたりします^^;

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これはパワートランジスタですが…

にしても, やはりIRのゲートドライバICはテスラには向いていませんね。遅い遅い^^;

 というわけでこのテスト基板は特に利点が無いので, 次に絶縁DCDCコンバータが載ったちゃんとした3相絶縁ゲートドライバを組んでみました。

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3相絶縁ゲートドライバ

 絶縁DCDC部は共振を利用した高効率DCDCコンバータを構成し, 各3つのコンデンサは各相ハイサイドゲートドライブ用のタンクです。出力は高速スイッチング用のトランジスタでトーテムポール出力とし, 試験の結果2MHzでのゲートドライブができそうでした。(そんな速い素子が無くて実際にスイッチングしてのテストはできてません^^;)

 絶縁DCDC部に使用したトランスは自作のトロイダルトランスで, 昔からよく使ってる緑コアに3相分の2次巻線を用意し, 絶縁電源としました。しばらく動かしてると発熱してきますが, 出力は約8W, 効率は92%くらいのようです。出力電圧は入力電圧の1.2倍くらいが出てきます。

 この動画では5V入力ですが一応マクソンモータが回るという, ゲートドライバとしてはオーバースペックなものになってます。動作確認は定格1200V300AのIGBTモジュールをパワーデバイスとし, 共振回路を組んで電子レンジインバータに乗ってた高周波高圧トランスを動かしておこないました。

そのまま短距離無線電力伝送もやりました。共振回路組んだらまずやるよね!!

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電源無しで電球が光ってますよ!

 ゲート容量30~40nFという素子ですが, 波形なまりもほぼ無くしっかり振れているようです。てなわけで絶縁ゲトドラ完成ということで~。

フォワード型スイッチング電源を作ったよ

 はい, 自励フォワードコンバータスイッチング電源を作りました。何故かって言うと, まぁ某氏がオクで落としたオシロの電源が死んでたみたいなのでそれの複製に挑戦してみようかなぁと。オシロはHPの54501Aで, 電源ボックスはユニットとして独立しており, ガチャンと簡単に外すことができます。ここら辺の設計, さすがHPって感じですね。

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自作したスイッチング電源

 やはりスイッチング電源はパーツぎっちりの方が映えますよね(笑)

 元の基板の仕様を解析するのはメンドクサイと思ったので, とりあえずトランスはそのまま流用し, 公称出力電圧から最適そうなスイッチング周波数を決定しました。元の基板が出力何Wで設計されてるのか分かりませんが, 自作した方は200~250Wくらいになりました。単純なフォワードコンバータなので脳内設計でうまくいきました。回路図は「フォワードコンバータ 回路図」で検索すれば出てくるので貼りません()

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トランス置いてみた

そもそもトランスがデカくて部室からパクッたユニバーサル基板だとパーツがおさまりきるか不安でしたが…

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オリジナルとのサイズ比較

なんとか元の基板の1/2サイズで完成できました。これは嬉しい成果です。

製作の途中でリセット回路用の抵抗カラーコード読み間違いでパワトラの発熱が異常な時がありましたが, これはすぐに気づいて解決できました。

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異常発熱のときの暴挙

 この電源, 部屋におちてるパーツを使いまくってるのでカラーコード読みづらくなった古いカーボン抵抗やCRTディスプレイの水平偏向用トランジスタを使ったりしました。まぁ, パワトラは最終的にアンプに使う予定だったと思われる2SC5200を使いましたけど。このトランジスタ, Vceの定格が200Vとかで, 141V入力のスイッチング電源じゃ正直きついところがありました。オリジナルの基板では耐圧1000VのTO-3パッケージのトランジスタが使われてたので, ここはスナバ回路を少しがんばらなければ成らないところでした。(メーカでもとりあえず強い素子使って解決しようってところがあるんですよね^^;)

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Vce波形

 最終的に, 落ちてた抵抗と落ちてたコンデンサでCRスナバを構成し, いい感じになりました。スナバ無しで試しに動かすと, Vce間1000Vとかかかって普通に焼けました。まぁあたりまえですね^^

 いちおう短絡保護回路ものっけてます。現在3日間負荷耐久テスト中で, 今後過電圧入力テストや過熱テストもやってきます。やはり自作の電源を製品に組み込むときは電源のせいで製品が死ぬなんてことがあっちゃまずいですからね。許容出力高調波量も結構厳しめに設計してます。入力電圧はAC100V, 出力は,

・+3.5V

・+5.15V

・-5.2V

・+12V

・-12V

・+15.5V

です。

 そのうち自分のオシロにのっけて動作テストする予定ですが, ケース開けるのがクソダルいという(^_^;)

過去の作品について

 どうも、Hkatです。最近、自分が作った作品や功績、失敗についてどう扱うかをよく考えるようになりました。といいますのも、高専に入学してからどうもものづくりの機会が減り、紹介できるのがそろそろ過去作くらいしかなくなった、って感じですね。

 にしても、過去の作品を自慢するのは僕の好みでは無いのでさりげなーく紹介しようと思いましたが、大変なことに写真が無い!!^^; 高専入学前の作品の写真は現在のスマホには入っておらず、前スマホの中でした。前スマホは既に手元に無いため、クラウドにあげとけばよかったと今更後悔…。 作品もほとんど部品取りになっていることから八方塞がりの状態です。。これを教訓に、今は自分の過去作を解体するのをやめました。ロボカップ研究部では相方から「解体してパーツ取ればお金かからないじゃん!」と言われますが、これは自分としてはどうも納得できないところです。

 思い返せばアナログシンセも数々のテスラコイルもインバータも、ほとんど部品取りにしたか邪魔だと言われて捨てたりしてしまいましたし、実績として残しとくべきだったなぁと思いました。

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DC-ACインバータも作りましたし、

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池沼工作テスラで2m放電させたりもしましたし、

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自励電源を量産してた時もありましたし…

自分や周りの人の記憶にしか残っていないなんてのは、少し悲しいですからね…。まぁ、工作物の処分で部屋はある程度キレイになりました。もっと部屋が広かったらなぁ、とも思ってしまいますが今は我慢ですね。

 あと、技術継承は大事です。まだ何かを作っていない人に自分の経験を伝えるのは相手にとって利になるかもしれません。あんまり押しが強すぎると「老害」と思われておしまいですがね(^_^;)

 

結論 : 過去作は破棄するかどうか良く考えよう!破棄する時は記録に残そう!

 

 

 

 

 そういえば懐かしいものを掘り起こしました。

 

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中学生の時に近所で行われたモータ系の勉強会で配布した伝説の書(笑)です。知識の共有目的で参加者自由の自作資料交換会みたいのがあったのですが、中学生が参加すること自体初らしく、担当の方に「じぶんがしってることをかいてね!えでもいいから!」ってナメられたのでムキになって1ヶ月かけて結構本気で書いてしまいました^^; というか、結構ガチな方(現役電気工事士、設備管理者等)ばかりだったみたいでイキったの結構後悔してまして…。 評判は良かったのでまぁ成功ってことにしましたけどね。知り合いに印刷が得意なフレンズ様がいて大変助かりました。ちなみに誘導電動機、同期電動機についての解説と制御について、単相インバータ、三相インバータの原理解説と実際の製作について書いてあります。再頒布の予定はありません、自分の性格を反省した、黒歴史なので。。

 

PANGAME 産技祭で展示します!

 記事の更新は久しぶりです、Hkatです。なにせレポートやら課題やらで工作に全然手が付けられませんでした。ハイ。今回は LtechLab と急遽編成された ChimpanGames の共同でフルスクラッチ開発したアーケードゲーム PANGAME について。これは 2018/10/27 あたり産技祭で展示します。場所は東京都立産業技術高等専門学校品川キャンパスです。ちなみに物はこんなです↓

 

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なんともみすぼらしい筐体になっておりますが、これは学校のゴミになっていたMDFを使っているからです。(新品のベニヤとか高くて買えん) カラフルなボタンは Aliexpress で購入したり、液晶ディスプレイはPC用モニタから剥いだりととにかく"貧乏志向な"作品に仕上がってしまいました(^_^;)

 PANGAMEはもともと学校のデジタル回路の授業のグループ自由製作で計画されたものです。「なんでも作ってよいだって??ならゲーム機作るか!!」ってノリでしたね。本当に。デジタル回路の授業で習ったことといえば基本論理素子についてや論理回路設計法くらいだったので、どうせ他のグループは電子ホタルとかライントレーサとかを作ってくるだろうと容易に予想できたし、同じようなのを作ってもつまらないですし。結果的に数少ない製作系の授業を有効活用できたかなと思っています。ちなみにこのPANGAMEの名前の由来ですが、メンバーにPAN君がいたのでPANGAMEにしただけです。単純で良いですね!!!

 結局PANGAMEってなんなのかといいますと、ロジックICで構成されたビデオゲーム機です。マイコンを使ってはつまらないので、ビデオ回路、オーディオ回路等々PANGAMEの回路はロジックICやRAM、ROMで構成されています。何がすごいの?と言われても特にすごいことはありません。わざわざめんどくさい方法で、無駄に時間とお金を食って作っただけです(笑) 今やMCUMPUがあるのですからビデオを映したり音を鳴らしたりするのは非常に簡単になっています。それをわざわざロジックICというスイッチのみで作ろうっていうのですから、流石に私もどうかしてましたね(^_^;) というか、プロジェクト発足時は僕自身動くとは思ってませんでした。失敗しても単位はもらえそうだったのでまぁ動かなくても基板になってればえぇやろ~程度でしたが、案外動くもんですね。。

 

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 ビデオ回路開発時の様子です。演算部から送られた命令に従ってVGA信号を生成するだけの簡単な回路です。ちなみに基板はCNCで切り出しています。主な構成部品はNANDゲート、カウンタ、マルチプレクサ、DACSRAMです。SRAMはいわゆるVRAMですが、実は設計段階でフロントポーチ&バックポーチのタイミングでVRAMにデータを書き込むという事をしようとしていたのものの、演算部の処理速度の問題からやむなくデュアルポートSRAMに変更しました。

 

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これがVRAM基板です。突然の設計変更を強いられたためそこらへんにあったユニバ基板で対応^^;

 

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 メインメモリ回路、ビデオ回路、オーディオ回路と演算部を組み合わせて動作テストの様子です。写真じゃわかりませんがBGMが鳴ってます。オーディオ回路は演算部からのmidi信号で音を鳴らす回路です。波形データをROMに格納しておき、そこから取り出すといういわゆるウェーブテーブル音源です。波形は古き良きPC98時代のヤマハFM音源を参考に昔手打ちした波形データを流用してます。いちおう同時発音数32なはず!

 

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 筐体も当然我々の自作です。回路は私が主に作ってたのでその間に筐体はPAN君、KO君、KA君が担当してくれました^^  さっきも書きましたが板材はゴミになってたMDF等です。

 

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 回路の最終アセンブリテストです。ゲームに使う絵(bmp)や音楽(midi)はmicroSDカードに入ってます。なぜbmpmidi形式にしたのかというと、JPEGとかの圧縮形式だと回路規模が尋常じゃないことになりそうだったからです。一番下にチラっと映ってますがHZW君が電源回路を担当してくれました。最近、この電源回路がすごいノイズを発していることがわかり、文句を言ったら修正してくれました。

 

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 PAN君がブロック崩しを実装してくれました。そしてそれを遊ぶHZW君。回路を作成したのは僕なので、それ用のAPIも僕が書くハメになりました。誰でも簡単にゲームが書けるようにしたかったので、さりげなくDirectXとの互換性があったりします。関数一つで画像の描画等できるので脳内コーディングでも実機テストで動かせました^^ いちおうOSと呼べるのか分からないOSが動いてます。フレームレートの管理と汎用入出力制御、メモリ管理を担当してるのでまぁOSで良いのかもしれませんが。

 この時点ではPAN君のプログラムにバグがあるみたいですが、産技祭では完璧に修正してくれることでしょう(フラグ)

 

ご注文はフルロジックですか??

 ここで結構大嘘があるのでバラしておきます。実はPANGAMEにはマイコンが入っています!! というのも、設計段階でのコンセプト「誰でも簡単にゲームが作れる」が中々クリアできず、やむなく使うことになりました。どうゆう事かと言いますと、当初僕の設計ではプログラム格納用のフラッシュメモリが搭載され、アセンブリ言語でゲームを記述後8086様式でコンパイルし、ROMライターでROMに書き込む、という事になっていましたが、こんなのどう考えても「誰でも簡単」ではありませんね(^_^;) これの解決策として、Arduino IDEで記述でき、USBケーブルでプログラムを転送できれば随分座敷が低くなるのではと思い、Arduinoを載せることにしました。ようはプログラムROMの役割をマイコンにやらせよう、という考えです。僕にとっては妥協でしかありませんでしたが、今になって考えてみればデジタル回路の最終授業までにPAN君のブロック崩しが動かせたのもそれのお陰なのかなとも思います。 

だから……ゆるして!!!!

 

・Staff

Hkat  - LtechLab, ChimpanGames所属。回路、OS、API、グラフィック、BGM担当。

HZW - LtechLab所属。電源、グラフィック担当。

PAN - LtechLab所属。ゲームプログラミング、筐体担当。

KA - ChimpanGames所属。事務、筐体担当。

KO - ChimpanGames所属。グラフィック、筐体担当。

mini DRSSTC ブリッジ回路不調

 どうも様子がおかしいです。というのも、とにかくパワー素子が死ぬわ死ぬわ…。オシロで各端子間を測りながらいじっていますが、特に定格を超えてそうな雰囲気は無いんですけどねぇ…。いつかの記事に乗っけたIGBTを8つ買ったので早速交換したのですが、早速死にましたね。

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大分粘って検証してはいるのですが、どうにも原因が分かりません(^_^;) スナバコンデンサを比較的良質なものに交換してサージは以前より圧倒的に軽減してるようですが。

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ゲート波形もまぁまぁ悪くはないと思います。ここら辺は波形的にうまくいってそうなのでIGBTの交換に伴った仕様変更はしませんでした。

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各端子間電圧波形だけ見れば、素子が焼けるはずないんですけどねぇ…。

なにせC-E間電圧定格の1/10ほどまでしかかけてませんし。

オシロの電圧波形を破壊原因の推測に使えるのかがどうも微妙なトコロです…。

考えられる原因を列挙してはオシロの波形で潰していってますので。他に検証出来そうな特性は潰していきたいですがブリッジが死んだ後では測定のしようがありません。

 

・C-E間過電圧? -> オシロで見ても超えてない。

・C過電流? -> フィードバックコイルの電圧を測ってもそんなに流れて無さそう。

・G-E間過電圧? -> オシロで見ても超えてない。

・SCSOA? -> オシロで見てもサージそんなにない。

デッドタイム不足? -> 貫通電流は流れて無さそう。

・dv/dt誤点弧? -> 貫通電流は流れて無さそう。

・RBSOA? -> サージ電圧そんなにない。

・過熱破壊? -> 触っても発熱なし。

 

とにかく原因不明でむやみに試験できません、現状オサイフの中身がやばいです^^;

まぁ、どうにせよ、今回のIGBT破壊も前回の秋月IGBT破壊と同じような状況な気がします。なんとなくですが(^_^;)

音も無く焼ける感じで、スライダックの出力電圧を徐々に上げていくと50[V]当たりで突然スライダックがうなり始めてしまいました。

うまく共振しすぎて瞬時電流が600[A]を超えてるのか?とも考えましたが、だったらもうちょっと放電がのびても良いはずです。

原因不明のIGBT大量虐殺をしてしまってなんだか意気消沈しました。

定期試験やレポートも山積みなのでブリッジ回路の原因究明&再設計は当分できないかなぁ…。

こんなにフルブリッジ回路で梃子摺ったのは初めてかもしれません。

経験則、案外アホみたいな簡単なミスのような気もしたりしてます。

 

あ、そういえば面白いものを入手しました^^

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はい。極太リッツ線です。φ3.5[mm]。

中古品なのでところどころ皮膜がはがれてるくさいですが問題無いレベルでしょう。

これでおもしろいものを作ろうとしてますが、実現はいつになるか…^^;

 

お先真っ暗。

テスラコイルの作り方 (jp)

 テスラコイルのコイル部分の設計方法について, 独自の研究(笑)や調査によって色々分かったのでまとめて紹介します。なお, ココに書いてある方法はあくまで「我流」ですのでそのつもりで^^;

 まずは適当に原理の解説をしますので, 手順だけ知りたければすっ飛ばしても問題は無いでしょう。

テスラコイルにおける最高のコイル

 テスラコイルにおいて, コイルを適当に巻いてしまっては最大のパフォーマンスを得られない事は明白です。ここでいうパフォーマンスとは, 2次回路が完全に共振した場合にトロイド電圧がどれだけ高くできるか, という事とします。同じ共振周波数の2次回路でも, コイルの径や長さ, 容量球の静電容量の組み合わせは無限に存在しますが, その中でも特に放電長を実現できる組み合わせの点を見つけようというものです。最高のコイルを製作すれば, あとは共振周波数をチューニングする作業に集中する事ができ, 最適な共振点を見つけさえすればテスラコイルへの入力電圧に対して最長の放電を得る事が出来ます。テスラコイルは構造だけ見れば簡単に見えますが, 詳しく検証するとなかなか奥が深い代物であります。テスラコイルにおいて2次コイルの電圧を決定する事項はいくつかありますので, それぞれを順に解説していきます。

テスラコイルの構造

テスラコイルの構造は以下のようになっています。

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比較的太い電気伝導性の良いワイヤを数回巻いた1次コイルの中に, 細いワイヤを多く巻いた2次コイルが入っている構造をしています。さらに, 2次コイルの下端(1次コイルに近い方)は大地に良質にアースされ, 逆に上方は容量球(トロイド)が接続されます。これは, 実際には放電電極として機能することになります。以下に, 構造だけに注目したテスラコイルの回路図を示します。

 

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構造はこのようにとても簡単ですが, コレをインピーダンスや磁気結合, 寄生容量など電気基礎を諸々考えたマジメな回路(等価回路)で書くと以下のようになります。

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このように多少複雑です。最高のコイルを巻く為に, このような等価回路の回路方程式を計算すれば最適な諸量(インダクタンス, 静電容量等)が算出できますが, とても複雑なうえ, 電気以外の物理事象を全く考慮していないため完璧な結果にはならないでしょう。

とまぁ, テスラコイルの構造はこんなところで。

テスラコイルの放電長を伸ばすには

 せっかくテスラコイルを作るのですから, 放電の長さはできるだけ長くしたいところでしょう。では, テスラコイルにおける放電長をかせぐにはどうすれば良いのか考えます。放電長は電圧の高さによって決まると言っても間違いではありませんが, 放電の様子は環境によって大きく左右される現象です。例えば, 気圧, 温度, 気体の種類, 磁場や電場, 電圧波形など, 多くの物理特性によって大きくその形や長さが変わります。しかし, 標準の場合で説明するためここでは環境は空気で1気圧として話を進める事とします。

 ということで, とにかく電圧を高くすれば放電長が長くなる, という単純な思考で今後は考えます。2次コイルの電圧を高くする方法として, 以下が考えられます。

 

・1次回路に印加する電圧を高くする

・1次コイルに流れる電流を大きくする

・2次回路の共振をより正確に調整する

・1次回路, 2次回路のQ値をより大きくする

・2次回路の電圧波形の波長を適当になるよう2次コイルを巻く

・結合係数kを適切に調節する

・無駄な放電をしないような構造にする

 

○1次回路に印加する電圧を高くする

 これは, 変圧器の原理を考えれば分かる事です。1次回路の電圧が高ければ, 自ずと2次側の電圧も比例して高くなります。しかし, 現実的には電源の容量, SGTCの場合はコンデンサの耐圧, SSTC の場合は半導体素子の耐圧&耐流などで制限がかかる事でしょう。

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2次コイルの1次コイル近傍は単純な空芯変圧器として見る事ができます。そのため, 1次コイル近傍の2次コイルの巻き数によって, 2次側に誘導される電圧が変化する事になります。この電圧の値は, 2次回路の最終的な出力電圧にとっては重要なファクターです。

○1次コイルに流れる電流を大きくする

 これを達成するために考えられたのがDRSSTCです。1次回路にも共振コンデンサを接続し, 共振させることで1次コイルに大きな電流を流します。その結果, 磁束密度がより高くなり, 2次コイルに誘導される電圧も高くなります。

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1次コイルだけの場合, 1次コイルに流れる電流は交流なのでコイルのリアクタンス成分と巻線抵抗により1次コイルに流れる電流は制限されます。しかし, 1次コイルに直列にコンデンサを接続し, この回路を共振周波数で駆動すると1次回路におけるリアクタンス成分は消滅するのと等価になり, よって1次コイルに流れる電流を制限するのは1次コイルの巻線抵抗のみとなります。1次コイルは大抵太く頑丈なワイヤで構成され, 巻き数もそれほど多くないので, おおむね抵抗値は0.5[Ω]以下になると思われますので, 駆動電圧によっては瞬間的に数千[A]ほどの電流を流す事ができます。

○2次回路の共振をより正確に調整する

 正確に共振している程, 2次回路のインピーダンスが最小になり, 容量球-大地間の電圧が最大になります。

○1次回路, 2次回路のQ値をより大きくする

 Q値 (Q factor) は, 共振回路の質を示す値です。RLC直列共振回路では, インダクタンスが大きく, 静電容量と抵抗が小さいほどQ値は大きくなります。つまり, 「できるだけ太いワイヤで, できるだけ径を大きく多く巻く」ことでQ値は大きくする事ができます。1次回路のQ値が高いと, 共振時により大きな電流がコイルを流れ, 2次側により高い電圧が誘導されます。また, 2次回路のQ値が高いと2次回路両端の電圧は高くなります。LC直列共振回路において, コンデンサCの両端には理論上では入力電圧のQ倍の電圧が現れる事になります。

○2次回路の電圧波形の波長を適当になるよう2次コイルを巻く

 電圧が進行する速度は, 銅線内ではほぼ光速であるとされています。2次コイルには高周波交流が流れるので, 容量球の先端が電圧波形における最大部分になるように調整すれば, 容量球部分に現れる電圧は大きくなります。これは電波の発射等で使われるアンテナと同じようなもので, 2次回路の導体長を2次電圧波形の1/4波長となるように2次コイルおよび容量球を設計します。大地アースされてる点で, テスラコイルの2次回路はモノポールアンテナのような物といえます。

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上図のように2次コイルをほどいたとした場合, ワイヤ長+容量球までの導体長+アース導体長から決まる2次回路長が駆動周波数の1/4波長の場合とそうでない場合とでは, 容量球部の対地電圧が変わってくるのが分かると思います。つまり, 2次コイルの設計で重要なのは, 共振周波数の波長とワイヤ長を可能な限り一致させる事です。

○結合係数kを適切に調節する

 2次側が共振するにあたり, 電圧の自由振動を妨げるほど1次コイルと2次コイルの結合を強くしすぎてはいけません。まぁ, 大抵のテスラコイルは空芯コイルとなるはずなので, せいぜい高くて k = 0.1~0.3 ほどでしょう。私の実験によれば, 結合係数は k = 0.25程がベストでした。結合係数は, コイルの形状と2コイル間の距離, 環境の透磁率によって決まる係数です。

○無駄な放電をしないような構造にする

 容量球以外の箇所で起こる放電は完全に無駄な物で損失になります。これを防ぐには, コイルの構造をしっかりと考えなければなりません。例えば, 1次コイルと2次コイルの間で放電しないように十分な距離をとったり, 1次コイルをフラットコイルにする, などです。

最高のコイルの設計方法

 以上の事項を踏まえてコイルを設計すれば, それは最高のコイルといえるでしょう。しかし, これらの条件を全てバランス良く満たしたコイルを設計するのはそう簡単ではありません。それでは, 実際にどのように2次コイルを設計すれば良いのかを解説します。

 「テスラコイルの放電を伸ばすには」に示した条件から, 共振周波数, インダクタンス, 電圧の伝播速度やワイヤの静電容量, Q値の計算式等から諸量の関係式を求め, また実験で得られた結果や既存の論文から得られたデータを用いて関係を具体化した結果, 以下の式が導かれました。「Kamomesanの公式」とでも呼びましょうかね(笑)

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N は2次コイルの巻き数です。この式がすばらしいのは, テスラコイルを作るにあたって, 使用するマグネットワイヤの直径 w, 容量球の容量 C が分かるだけで, 上記「テスラコイルの放電長を伸ばすには」で説明した条件のほとんどをクリアしたコイルが巻けるという事にあります。さらに, ワイヤ径と容量球容量は自分の好みで簡単に設定できる値ですね。kamomesanの公式で求められた回数だけ2次コイルを巻けば良いので, あとは測定により共振周波数をもとめ, その共振周波数にあわせた1次回路を作成するだけです。kamomesanの公式では, 最適な容量球の静電容量と巻き数の関係が分かりますので, その関係をできるだけQ値が高くなるようにフィルタリングする事で, 最高のコイルを設計できます。RLC直列共振回路のQ値は次式で算出できます。

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ここで, 巻線抵抗 R は銅の抵抗率と巻き数から, 次式で求められます。

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インダクタンス L を計算するにあたり長岡係数 A が必要になりますが, 長岡係数の計算は非常に複雑なので, 以下に示すコイルの径長比 a と独自に算出した長岡係数の近似式を用いて計算します。

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算出された巻線抵抗 R, インダクタンス L と, 容量球の静電容量 C を Q値の式に代入する事でQ値が計算できます。kamomesanの公式とQ値の算出式を用いることで, 以下のグラフのように容量球の静電容量を変数とした時の共振周波数, Q値, 巻き数 の関係を計算する事が出来ます。

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ワイヤ径は0.3[mm]のものを, VU65 (塩ビパイプ) に巻いた時の諸量の関係です。実際に製作できる1次回路の周波数にはスイッチング素子等の応答速度により限界があります。ここで, 仮に製作できる1次回路の最高発振周波数を500[kHz]とすると, 上グラフより, 巻き数はおよそ 626 [回], 容量球の容量は 10 [pF], Q値は 894 であると求める事ができます。この値どおりに2次コイルを巻いた時, そのコイルは「テスラコイルの放電を伸ばすには」に示した条件を満たした物とするとができます。グラフを見れば分かりますが, 1次回路で発振できる周波数が高ければ高いほど, また1次回路の電圧が高ければ高いほど, チューニングはシビアになりますがQ値が大きくなるので大きな放電を期待できることになります。

 2次コイルが設計できたら次に1次コイルです。上で作成した2次回路の下部に適当な1次コイルモドキを巻き, 小信号の矩形波を入力する事で, オシロスコープを使用して2次回路の共振周波数を測定します。下図のように装置をセッティングし, 周波数可変の小信号矩形波源(正弦波でも可)の周波数を調整して, オシロスコープに表示される波形の振幅が最大になる周波数(共振周波数)を見つけます。この時注意すべきなのが, 測定の誤差になるので容量球に手などを近づけすぎないという事と, プローブを容量球に近づけすぎない事です。スパークがプローブに当たると最悪オシロスコープが壊れてしまいます^^; 容量球とプローブの距離で波形が大分変化するので, プローブは何らかの方法で固定するのが楽でしょう。

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オシロスコープが無い場合は, LCRメータで直接インダクタンスを測定して共振周波数を推測する方法もありますが, この場合では容量球の静電容量の測定が難しく, うまく共振周波数を求められないでしょう。テスラコイルをやるならオシロスコープは1台くらい持っておいた方が良いと思います。今後の電子工作でも必ず使うときが来ますので^^

 後は簡単で, 測定した2次側共振周波数で共振するような1次回路を設計するだけです。このときの注意は,

 

○ 1次コイルに使うワイヤは出来るだけ太く, 銅などの電気伝導性の良い素材を使う。

○ できるだけコイルの巻き数を多くする。

○ 1次-2次コイル間での放電を防ぐため, 2次コイルとはある程度離す。1次コイルと2次コイルの間にどれだけ電位差が出来る(放電しやすい)かは, アース線の長さや1次コイルの形状によって左右されるので, テスラコイルの規模にもよりますが最低でも10mmは離した方が良いかも知れません。

○ 逆コーン状のコイルはお勧めしません。電磁気的にはあの形状にするメリットは得に無いです。

 

くらいでしょうか。とにかく, 1次コイルが燃えないように, また2次コイル間とで放電しないようにすれば問題無いでしょう。

 

最終的なテスラコイルの設計手順

 導かれた関係式を用いる事で簡単にテスラコイルに最適な2次コイルを設計する事が出来ます。手順は大体以下のようになるでしょう。

 

① 作りたいテスラコイルのサイズを大まかに決める。

② 2次コイルを巻く空芯筒(塩ビパイプ等)の直径を決める。

テスラコイルのサイズを気にして, 2次コイルに使うマグネットワイヤーの径 w を決定する。(後の検証でコイル径に対する理想的なワイヤ径が分かったりします。)

④ 外部のサイトを利用するなどして, 容量球のサイズと大体の静電容量 C を決定する。

⑤ kamomesanの公式に決定した値 w, C を代入して2次コイルの巻き数 N を得る。

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⑥ 決めたサイズの容量球を作れる分の材料, 2次コイル用のマグネットワイヤーを購入する。

⑦ 2次コイルを決めた巻き数だけ巻き, 容量球も設計通りに製作する。

⑧ 2次コイルと容量球を合体し, 適当な1次コイルを巻いて共振周波数を測定する。

⑨ 測定した2次コイルの共振周波数と共振するように, かつ燃えないように, 2次コイル間でスパークしないよう気を付けて1次回路を組む。

⑩ 容量球を納得いくまで微調節する。

⑪ やったぜ。

 

kamomesanの公式を簡単に計算できるExcelシートを用意したので, よければ使ってください。↓

TeslaCoil_calclation_form.xlsx - Google ドライブ

 kamomesanの公式の検証

 導かれたkamomesanの公式を用いて, 実際にいくつか事例を設定し, 最適なコイルはどのような物になるのかを計算してみたいと思います。

 

○ [問1] 最高周波数 500 [kHz] の1次フルブリッジ回路を設計できるA氏がいる。手元にVU250のパイプとφ0.4[mm]のUEWがあるとし, 放電長が最大になる為にはA氏は2次コイルを何回巻けば良いか, およびトロイドの容量はいくつにすれば良いかを求めよ。

 

ここで, UV250は直径が 267[mm], マグネットワイヤの直径が 0.4[mm] と分かっているので, コイル径 D は 267.4[mm], ワイヤ径 w は 0.4[mm] となります。これらの値をkamomesanの公式に代入し, さらにQ値を計算すると以下のグラフに表す特性が求められます。

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このグラフから, A氏が作る1次回路の 500 [kHz] で最長の放電を得るためには, 2次コイルの巻き数は 1400 [回], トロイドの静電容量は 30 [pF] と求まります。ちなみに, Q値は 523 です。よって, A氏が作るべき2次コイルは以下のようになるでしょう。

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実際には, コイルが短いことにより放電が下に接触してしまうと思われるので, ここから構造的に放電長を伸ばす工夫をする事になると思います。トロイドを高い位置に持っていったり, コイルを巻くパイプ内に絶縁物を詰め込んだり, 設置抵抗を小さくしたり, こだわるならマグネットワイヤーを太いものに変えて巻きなおすのも良いでしょう^^。

 

○ [問2] 手元にVU65にφ0.1[mm]のUEWを1500[回]巻いた2次コイルを持っているB氏がいる。放電長が最大になる為には, B氏は何pFのトロイドを用意し, 1次回路の発振周波数を何[kHz]にすれば良いかを求めよ。

 

VU65 の直径は 76[mm]で, マグネットワイヤーの直径が 0.1[mm] と分かっているので, コイル径 D = 76.1[mm], w = 0.1[mm] です。これをkamomesanの公式に代入し, それによって得られた関係からQ値を計算すると以下のグラフに示すような特性が得られます。

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このグラフから, 放電を最長にするのに必要なトロイドの静電容量は 16 [pF], この時の共振周波数は 202.6 [kHz] であると求められます。ちなみにQ値は 256 です。

 

○ [問3] 最高周波数 600 [kHz] の1次フルブリッジ回路を設計できるC氏がいる。手元にVU600のパイプとφ0.6[mm]のUEWがあるとし, 放電長が最大になる為にはC氏は2次コイルを何回巻けば良いか, およびトロイドの容量はいくつにすれば良いか, 1次回路の発振周波数は何kHzにすれば良いかを求めよ。

 

ここで, UV600は直径が 632[mm], マグネットワイヤの直径が 0.6[mm] と分かっているので, コイル径 D は 632.6[mm], ワイヤ径 w は 0.6[mm] となります。これらの値をkamomesanの公式に代入し, さらにQ値を計算すると以下のグラフに表す特性が求められます。

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このグラフから, 最長の放電を得るためには, 2次コイルの巻き数は 252 [回], トロイドの静電容量は 8 [pF] , 1次回路の発振周波数は 252 [kHz] と求まります。ちなみに, Q値は 2660 です。このコイルでは, 巻き数とワイヤ径から分かるように高さが 151 [mm] と, 太く短いコイルになっていることが分かります。この形状は, 放電長を稼ぐのには不向きですので, 実際には多少Q値をあきらめてワイヤ径をさらに大きい物で巻きなおす事や, トロイドを大きなものにする改善が必要となるでしょう。大きいコイルで迫力を求めるほど, 大きなトロイドと太い巻線が必要な事がわかります。

 

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