秋月のS/PDIFレシーバ (光ファイバー) をテスラコイルに使おう!
どうも, 最近なんだか工作する意欲がなくなりつつあるHkat (カモメ)です。先の記事に書いたとおり, 僕のテスラコイルではMIDIインタラプタ -> テスラ制御回路 の通信に光を用いています。どうやらコレと同じことをしようとして躓いてる方がいるようなので, とりあえず秋月のS/PDIFレシーバについて分かった事とテスラコイルのような本来の使い方と違う場面での使い方を紹介します。
秋月のS/PDIFレシーバとは
そもそもS/PDIFって何だって所からなんですが, 簡単に言うと音声向けの光デジタル通信の事です。光ファイバーケーブルを使って機器間の音声データを伝達します。このSP/DIFには, 光を発射するデータ送信側のコネクタ (トランスミッタ) と, 光を受信するデータ受信側のコネクタ (レシーバ)が必要なわけですが, 秋月で売られているSPDIFレシーバはなんだかノイズにめちゃくちゃ弱いみたいで, 初めテスラに使ったとき「なんじゃこりゃ!?」って思いました…。
しかし, ケーブルも安くPCとテスラコイルのGNDを簡単に分離できる光ケーブルはやはりテスラコイルに積極的に用いたいところです。従来の同軸ケーブルを使った方法だと部屋の形状, 鉄骨の構造にもよりますがテスラコイルとPCを十分に離したつもりでもPCやMIDIインタラプタがノイズにやられて動作を停止したり, 最悪故障することもありました。光だとその心配は無い (ノイズの影響量はコイルと制御機器の距離にのみ依存する) のでとても便利です。今のところ光ファイバを使ったテスラコイルがPCをバグらせたことは無いので個人的にはとてもオススメしています。
実はSPDIFの送信&受信コネクタは秋月電子で販売されており, Digikeyなどに頼らずに入手できます。
しかし, 秋月のSPDIFコネクタは先に述べたとおりノイズにむちゃくちゃ弱い物でした…まぁ, 本来強電界にさらされて使う物じゃないですしね^^; いろいろ試行錯誤するうちにまともに使えるようになったのでその方法を書いておきます。
秋月のS/PDIFレシーバはどんな感じ?
テスラコイルの主回路に電源を入れていない状態 (2次コイルに高電圧が生じていない状態) では問題なく通信できます。0.1 Hz から 20 kHzまで問題なし。出力波形もきれいな方形波です。しかし, 主回路に電源を入れたとたん様子がおかしくなってしまいます。というのも, 出力波形が暴れだして通信どころじゃなくなってしまいます^^; 確認できた症状は以下の通り。
・出力信号が数MHzの発振を起こす
・数秒間出力信号が無反応になる
コレを知らずに初めテスラコイルを動かしたら, 当然バグッて常ON状態, コイルからは「ボシュー」という放電が^^; どうやら一度暴走すると数秒持続するらしく, 焦りましたよ…。
初めは2次コイルからの電磁ノイズがレシーバを直撃して暴走の原因になってるのだと思い, 静電遮蔽をしてみたりしたのですが効果なし。ためしにレシーバをコイルから離してみてもダメでした。そう, ノイズの原因は回路からのものだったのです!
解決策は?
レシーバのデータシートどおりにフィルタを組んでも効果はありませんでした。そこで, 共振中に電気的にどんな感じになっているのかをオシロで見たところ,
VCCにひどいノイズが乗っていました!!このノイズはコイルと制御回路の距離や, 2次コイルのアースの取り方, ブリッジの配線の位置によっても変化する事がわかりました。後に実験を行った結果, 秋月のSPDIFレシーバはVCCラインの電圧変動にとても弱い事がわかりました。一瞬VCCを下げてみたりするとテスラコイルに乗っけた時と同様に出力信号が暴走します。そこで, 以下のように解決。
S/PDIFコネクタのVCC-GNDに 0.1uF の電界コンを, 信号出力ピン-GND間に0.1uFのフィルムコンデンサを直付けするだけ! とりあえず出力信号のケーブルも最低限の長さにしてアンテナになりにくいようにしました。
私の場合, コレだけの処置でS/PDIFレシーバは放電中でも正常に動作するようになりましたが, 回路の作りが違うとまた話が変わってくるかもしれませんので参考までに。
40V入れたらコイル長超えた^^ pic.twitter.com/ozEt143Bfo
— Hkat (@igbtbreaker) February 12, 2019
S/PDIFレシーバは順調です!
まとめ
秋月のS/PDIFレシーバはやたら電源電圧変動に弱い。コンデンサでゴリ押せ!!
いじょう。